正常眼圧緑内障について(normal tension glaucoma, normal pressure glaucoma)

広義の原発開放隅角緑内障のうち、眼圧が常に正常値であるものを、正常眼圧緑内障と呼びます。
ただし、そもそも正常な眼圧値や眼圧に対する視神経の脆弱性には個体差がありますので、特定の眼圧値によって、厳密には分類することができず、臨床現場等では、便宜的に高眼圧群と正常眼圧群という形で区分されています(ちなみに、多治見スタディという大規模調査における眼圧分布によると、右眼眼圧は14.6±2.7mmHg(平均値±標準偏差)、左眼眼圧は 14.5±2.7 mmHg(同)でしたので、平均値±2標準偏差で正常眼圧を定義すると、正常上限は 19.9~20.0 mmHgということになりますので、この辺りで正常眼圧緑内障との区分がなされるようです)。

眼圧が正常だからといって、視神経症の発症に眼圧が無関係と言い切ることはできませんが、循環障害など、眼圧以外の因子も関係すると考えられています。

また、眼圧は一日のうちや季節によっても変動しますので、「常に」正常範囲である、と言い切るには、日内変動測定などが必要となります。

正常眼圧緑内障(または「低眼圧緑内障」)は、日本における緑内障患者の72%がこの正常眼圧緑内障といわれています。

正常眼圧緑内障は、眼圧が正常値であっても進行してしまうのですが、目標眼圧として治療前の眼圧から20%の眼圧下降ができると、視野欠損の危険性が下がり、視野が維持できる可能性が高いと言われています。

正常眼圧緑内障の原因について

原因はわかりません。

たとえば、
・もともと視神経の抵抗力が弱く、正常眼圧でも傷ついてしまうのではないか
・眼底部分の血液循環が悪いことが影響しているのではないか
・強度の近視の人は網膜が薄く、その影響で視神経が傷つきやすい
などの説があります。

眼圧は低くとも、個性としてその人の正常眼圧を超えてしまったため病気として症状が出てしまう、と考えられています。

(ご参考:眼圧とは)

眼圧とは、眼球の内部から外側に加えられている圧力のことです。
この圧力によって眼球の丸い形や網膜の張りが保たれています。

眼球内には房水と呼ばれる液体が血液の代わりに流れていて、各部に栄養を運んでいます。
(房水の組成成分は血液の血清と似ています)

眼圧は、この流れる房水の量によって、一定に保たれる仕組みとなっています(眼圧調整)。
そのため、房水の流れが滞ったり、詰まったりして流れなくなると、循環眼球内の圧力が高まり眼圧が上昇します。

次のような方は、正常眼圧緑内障に注意が必要です

正常眼圧緑内障は、日本人にもっとも多く、以下のような方は特に注意が必要です:
・頻繁に目が疲れる
・冷え性
・家族に緑内障の人がいる

なお、正常眼圧緑内障は、他の緑内障と比べ、もっとも進行が遅く、発見も遅れやすいです。

発見の手がかりとなる眼圧も正常ですし、見え方がおかしくなる等、日常生活での自覚症状もほとんどないため、見過ごされる危険が非常に高いので、注意が必要となります。

(ご参考:日本における緑内障有病率 日本眼科学会より)
:正常眼圧緑内障:72%
:原発閉塞隅角緑内障:12%
:続発緑内障:10%
:原発開放隅角緑内障:6%

* 隅角開放や隅角閉塞とは、房水の流れる出口が老廃物で詰まっているのか(原発開放隅角緑内障)、
房水の流れる出口がふさがってしまっているのか(原発閉塞隅角緑内障)の違いです。
* 他には、発達緑内障(生まれつき隅角に異常があるタイプの緑内障)があります(子供に見られる先天的なもの)

正常眼圧緑内障の治療法

他の種類の緑内障と同様に、まず病院での早期・初期発見と早期治療が重要です。
高齢者ほど発症・進行しやすいのですが、40歳を過ぎたら定期的に検診を受けることをお勧めします(あなたの目を守ります)。

確かに、正常眼圧緑内障は、眼圧が正常値であっても進行してしまうのですが、目標眼圧として治療前の眼圧から20%の眼圧下降ができると、視野欠損の危険性が下がり、視野が維持できる可能性が高いと言われています。

従って、早期発見と治療のために、定期的に病院(眼科医や大学病院等)で検査を受け(ハンフリー視野検査等、眼圧検査(眼圧測定)、眼底検査・OCT検査、視力検査、隅角検査)、
瞳をのぞきこんで眼そのものを見たり、視力や眼底の様子などを観察し、眼圧が正常か、また、視野欠如(視野欠損)が起きていないかハンフリー視野検査MD値を見たり、視神経乳頭の状態はどうか、などを調べることが大切です。

両目で左右それぞれの様子が(右目と左目とで)症状や進行の程度・部分が異なる場合もあります(乱視等、他と同様に)。
両目の比較は有益な推測につながるため、「左眼がおかしいと伝えているのに、先生が右眼を見る」等と不安に感じる必要はありません。
この例でいえば、右眼との比較をおこなうことで、左眼により適した治療方法を先生が判断しているのです。

定期的な診察によって、時間の経過による変化(視神経障害や視野障害等の変化など)も判断材料の一つとなります。
是非信頼できる先生を見つけ主治医と定め、長く通うことをお勧めします。
緑内障の治療は長期にわたることが多いため、たとえば質問がしやすいか、生活習慣からの通いやすさ等、ご自身が大事と思う点を満たしている先生を見つけるとよいでしょう。

その上で、薬(点眼薬=目薬)を中心とした薬物療法・治療をきちんと行い、まずは20%の眼圧下降を目指しましょう。
進行の程度や眼圧降下の効果の出方を見ながら、必要に応じて、レーザー治療や手術(線維柱帯切除術など)も検討しましょう。

代表的な目薬には、ルミガン、チモプトール、キサラタン等があります。
緑内障治療に使用する点眼薬の効果や副作用等の一覧はこちらの記事をご覧ください。


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