原発開放隅角緑内障の治療・処置

原発開放隅角緑内障では、房水の流れる線維柱帯(せんいちゅうたい)が詰まって眼圧が上がり、視神経が傷つきます。

広義の原発開放隅角緑内障は、以下の2種類に分類することができます:

(眼圧が低い)正常眼圧緑内障:
眼圧は基準値だが、視神経が傷つけられ、視野が欠けてしまうタイプ

(眼圧が高い)原発開放隅角緑内障(狭義の原発開放隅角緑内障):
繊維柱帯の詰まりから、慢性的に眼圧が高い状態が続くタイプ

狭義の原発開放隅角緑内障の治療法

眼圧下降を目指し、目標眼圧を設定します。
ただ、目標眼圧はあくまで目安であり(目標眼圧だとしても、視神経障害が起こらないと完全には言い切れないため)、
目標眼圧が達成されていても、眼科等でのしっかりとした観察が重要となります。

1.薬物治療

原発開放隅角緑内障の治療では、薬物治療が第1選択となります(まず最初に行います)。

まずは、眼圧下降点眼薬を一種類のみ使用し、眼圧が下がらない場合には、他の薬に変更したり、多剤併用(配合点眼薬を含む)を行います。

できれば、片眼にだけ点眼し、点眼していない目との眼圧を比較したり、治療前や治療時の眼圧の変動測定を行ったりすることで、治療効果を確認していきます。

現在は、眼圧下降療法以外に視神経血流改善療法や神経保護治療も注目されていますが、明確な治療効果は未知数というところです
(カルシウム拮抗薬内服の有効性を推定する報告もありますが)。

2.レーザー線維柱帯形成術:

レーザーを当てて、線維柱帯の目詰まりをとります。

外来で点眼麻酔を行うことで実施できる点がメリットです。

ただし、眼圧下降効果は、時間の経過とともに低下し、術後10年経過すると、眼圧降下が維持されるのは1-3割程度となります。

また、線維柱帯組織の障害によって、長期的に房水流出機能を低下させる恐れ(=眼圧上昇の恐れ)があるため、その後手術が行えない患者さんには安易に行わないように注意が必要です。

さらに、眼圧が25mmHg超の患者さんにレーザー線維柱帯形成術を行っても、眼圧を正常値におさえることは難しいと言われています。

3.手術:

・レーザーの効果ない場合(重度)
線維柱帯切除術:強膜と虹彩に孔をあけ、房水の排出口を作ります。
現在最も広く行われている手術が、線維柱帯切除術です。

・レーザーの効果ない場合(軽度)
房水流出路再建手術(線維柱帯切開術など):目詰まりした線維柱帯を切ることで房水を排出させます。

線維柱帯切開術は、眼圧降下効果が、線維柱帯切除術に比べて劣りますが(10mmHg台後半)、線維柱帯切除術に比べて合併症が少ない点がメリットと言われています。

4.経過観察

術後も、数ヶ月に一度は眼圧測定、視神経観察、また年に数回は視野測定を行います。
眼底画像記録も有用です。

高眼圧症について

眼圧が高いけれど、視神経や視野に異常がない(高眼圧症)状態から、原発開放隅角緑内障に移行する割合は非常に低いと言われています(1年に1~2%)。
アメリカでの研究結果等からも、そのため、眼圧が正常値上限を僅かに超えているというだけでは、治療すべきという十分な理由とはならず、
繰り返し眼圧20mmHg台後半となったり、緑内障家族歴などの危険因子がある際には治療を行うべきと考えられています。

視神経、視野検査が正常で、かつ原発開放隅角緑内障へ移行する危険因子のない場合は、1-2年おきの検査(眼圧、視神経、視野)を行います。

正常眼圧緑内障の治療について

正常眼圧緑内障のように、眼圧が正常値であっても進行するタイプの緑内障でさえも、目標眼圧として治療前の眼圧から20%の眼圧下降ができると、視野欠損の危険性が下がり、視野が維持できる可能性が高いと言われています。

また、米国の研究で、30%以上の眼圧下降ができると、視野が維持できる可能性が高いという研究結果も出ています。
(眼圧下降が必ず30%以上である必要があるか否かは不明)

治療と経過観察は、基本的に原発開放隅角緑内障と同じですが、レーザー線維柱帯形成術は眼圧下降効果が小さいと言われています。

原発開放隅角緑内障の治療と同様に、眼圧下降療法以外に視神経血流改善療法や神経保護治療が注目されています(カルシウム拮抗薬内服の有効性を推定する報告もあります)が、治療効果は未だ未知数とされています。


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