閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と緑内障の関係
OSASと緑内障の関係に関する研究紹介
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?日本では正確な数が把握されていないものの、生活習慣病の増加に伴いOSAS患者も増加していると考えられています。
このOSASと緑内障に有意な関係が認められた海外の研究をお伝えします。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)とは?
名前の通り、睡眠中に気道が狭くなり無呼吸となる病気で、低酸素状態による弊害が問題となっています。2013年米メイヨークリニック医科大学で行われた大規模調査では、OSASにより心血管疾患や不整脈、夜間の心臓突然死のリスクが増大することが示され、日本のガイドラインでも中等度〜重度の場合は積極的な治療の介入が推奨されています。
OSASは、肥満を含めた生活習慣病による発症率が高く、さらにOSASにより生活習慣病が増悪することもわかっているため、ここで悪循環が生じています。
世界的に先進国でOSASが増加しているのは、肥満人口の増加が背景にあると考えられており、肥満を含めた生活習慣病である糖尿病、高血圧、脂質異常症、脳心血管疾患のコントロールが重要と言えます。
OSASはベッドパートナーからの睡眠中の無呼吸やいびきにより指摘されることが多いのですが、心配な人はOSASの検査ができる病院を検索して、相談してみるとよいでしょう。
OSASが緑内障のリスクを増大させることが明らかに
これまでも、低酸素を引き起こすOSASが緑内障に関与するだろうと考えられていましたが、推測の域を出ず、議論の的となっていました。しかし、2016年に、中国・重慶医科大学附属第一医院の医師であるLiu氏らは、研究の結果、OSASが緑内障のリスクを増大させることを示しました。
研究では、今までに行われた6件の研究(コホート研究3件、症例対照研究3件)の約228万件という膨大なデータがメタ解析され、これによりOSASと緑内障が有意に関連していることが示されることとなりました。
OSASが緑内障に関与するメカニズムに関してはまだ不明な点が多く、今後さらなる研究が必要としていますが、OSASを持つ緑内障患者にとって、OSASのコントロールの重要性を示した有用な研究結果と言えます。
(まとめ)緑内障患者として心がけるべき点は
今回の結果から、OSASを持つ緑内障患者だけではなく、生活習慣病を合併する緑内障患者は、緑内障のコントロールのみならず、今患っている病気も含めて適切に治療されることが大切だということが分かります。生活習慣病に伴うOSASおよび生活習慣病は、医療の力と自分の努力でコントロールが可能です。OSASに心当たりがある人や、OSASおよび生活習慣病が未治療の場合は、早めに医師に相談し、できることから始めていきましょう。
緑内障研究に関する参考資料
閉塞性睡眠時無呼吸症候群に関する最新の知見と諸問題
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/037030169j.pdf
循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008-2009 年度合同研究班報告)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010,momomura.d.pdf
Obstructive sleep apnea and the risk of sudden cardiac death: a longitudinal study of 10,701 adults.
Journal of the American College of Cardiology. 2013 Aug 13;62(7);610-6. doi: 10.1016/j.jacc.2013.04.080.
Apoor S Gami, Eric J Olson, Win K Shen, R Scott Wright, Karla V Ballman, Dave O Hodge, Regina M Herges, Daniel E Howard, Virend K Somers
http://pmc.carenet.com/?pmid=23770166
Meta-Analysis of Association of Obstructive Sleep Apnea With Glaucoma.
Journal of glaucoma. 2016 Jan;25(1);1-7. doi: 10.1097/IJG.0000000000000357.
Shulin Liu, Yu Lin, Xin Liu
http://pmc.carenet.com/?pmid=26561422
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