緑内障のレーザー治療について

点眼薬による薬物療法で効果がない場合、レーザ治療を行います。

レーザー線維柱帯形成術

目詰まりしている線維柱帯にレーザーを当て、房水の流れを改善します(房水流出率を改善)。
日帰りで受けることができます。

線維柱帯にレーザーを照射すると熱によって萎縮するため、以前は一度しか行えませんでした。
しかし、最近では波長の短い、低エネルギーのレーザーを使う方法が主流となり、周辺組織へのダメージが少なく、繰り返し行うことができます。

正常眼圧緑内障でも行われますが、効果が得られないことも多く、その場合は薬物療法を継続します。

具体的には、線維柱帯にレーザー光を照射して、フィルター部分の目詰まりを解消します。
照射時間は5分ほど。

レーザー光が当たると、その熱によって線維柱帯が収縮するため、網目が広がります。
これによって目詰まりが解消し、房水が流れるようになるのです。

また、レーザーの出力を弱めて照射すると、白血球中のマクロファージを活性化させることができます。

マクロファージには異物を排除する働きがありますので、線維柱帯にたまった老廃物の掃除をしてくれることが期待できます。
ただ、効果が現れるまで3ヵ月ほどかかります。

眼圧が25mmHg以上の例では眼圧を正常にするのは難しいと言われています。
そのため、手術の代わりというよりは、薬物治療の補助的な治療法と考えられています。
また、時間の経過とともに、眼圧下降効果は弱まります。

レーザー線維柱帯形成術の合併症

レーザー線維柱帯形成術には、以下の合併症があります。

・前房出血
・周辺虹彩前癒着
・術後虹彩炎
・術後眼圧上昇

レーザー隅角形成術 (レーザー周辺部虹彩形成術)

房水の通り道が虹彩で塞がっている時にこれを再開通させます。

隅角癒着解離術という手術後の仕上げや、虹彩の形が特殊な場合に行うことがあります。

レーザー隅角形成術の合併症

レーザー隅角形成術には、以下の合併症があります。

・術後一過性眼圧上昇
・術後虹彩炎
・瞳孔偏位

レーザー虹彩切開術

原発閉塞隅角緑内障では、虹彩と水晶体がほぼ接触しています。
この状態だと房水が前房に流れ込めず、後房にたまります。

すると房水が虹彩を圧迫して隅角が狭くなり、房水の排水路がふさがれてしまいます。

そこでレーザーで虹彩に孔をあけ、後房にたまった房水をシュレム管から排出します。

なお、急性緑内障発作は両目同時に起こることはまれですが、片側に起こるともう片方にも起こる危険が高く、予防のためにもう片方にもレーザー治療を行うことが一般的です。

レーザー治療は隅角が完全に癒着してしまうと治療できないため、完全に癒着する前に発見し、タイミングを逃さずレーザー治療を受けることが大切になります。

レーザー虹彩切開術の合併症

レーザー虹彩切開術には、以下の合併症があります。

・瞳孔偏位
・前房出血
・角膜混濁
・水疱性角膜症
・術後虹彩炎
・限局性白内障
・術後一過性眼圧上昇
・虹彩後癒着
・穿孔創の再閉塞
・網膜誤照射

特に、水疱性角膜症は重篤です。
水疱性角膜症の発症には、角膜内皮の状態、レーザー照射の総エネルギー量などが関連すると推測されています。

毛様体光凝固術

毛様体をレーザーにより破壊して、房水産生を抑制して眼圧を下げます。
ただし疼痛が強く眼球癆など合併症が多いため、眼圧下降の最終手段とされています。

毛様体光凝固術の合併症

毛様体光凝固術には、以下の合併症があります。

・疼痛
・遷延性炎症
・視力低下, 光覚消失
・交感性眼炎
・眼球癆

レーザー切糸術

手術(線維柱帯切除術)後に、房水濾過量が不足している際に行われ、濾過量を増加させます。
以下の合併症があります。

・結膜熱傷、穿孔
・過剰濾過