原発閉塞隅角緑内障の治療・処置

原発閉塞隅角緑内障では、房水の出口である隅角が狭くなったり、ふさがったりして房水の排出ができなくなり、眼圧が上昇し、視神経を圧迫することが原因で起こります。

生まれつき、水晶体の大きさに比べて前房が浅い人に起こりやすいと言われています。
加えて、加齢に伴い水晶体は少しずつ硬くなる性質があり、その影響で虹彩が隅角側に押し出されて、房水の排水路をふさいでしまいます。

原発閉塞隅角緑内障には、急性と慢性があります。
慢性では、わずかながら房水の排出ができるので、自覚症状はほとんどありません。

相対的瞳孔ブロックによる原発閉塞隅角緑内障・原発閉塞隅角症の治療

まず行われるなのは、根本治療として、レーザー虹彩切開術、虹彩切除術による瞳孔ブロック解除です。
瞳孔ブロック解消後にも、高眼圧が見られる場合(残余緑内障)に、薬物治療も併用されます。
多くの場合、両眼でのブロックが考えられるため、片眼に原発閉塞隅角緑内障・原発閉塞隅角症がみられた場合は、他眼に対しても予防的なレーザー虹彩切開術や虹彩切除術が行われます。

急性原発閉塞隅角緑内障・急性原発閉塞隅角症について

急性発作には注意が必要です。
隅角が完全にふさがって房水が行き場を失い、一気に眼圧が上がっている状態となります。

通常平均値が15mmHgほどの眼圧が、急性発作で50-60mmHgまで跳ね上がることがあります。
ただちに眼科で適切な処置を受けないと、数日で失明する危険があります。

症状としては:
・目の痛み
・激しい頭痛
・吐き気
・充血
を伴います。

原因となる行動:
・暗い部屋で物をみる
・イライラする
・うつむいた姿勢で長時間作業をする
・ストレスを感じる

急性原発閉塞隅角緑内障・急性原発閉塞隅角症の治療・処置

・点滴・内服・点眼:まずは眼圧を下げるための点滴・内服・点眼を行います。

高度の眼圧上昇を沈静化させるのに最も有効な薬剤は、高張浸透圧薬です。
血液の浸透圧を高めて細胞内液の水分を細胞外液に移行させる作用を持ちますので、眼では主に硝子体液が脈絡膜毛細血管に引き込まれて、
硝子体容積の減少によって眼圧が下がります。

急性原発閉塞隅角緑内障・急性原発閉塞隅角症発作の際に有効ですが、急激な細胞外液量の増加を伴いますので、循環器系に負担がかかります。
そのため、心不全や肺うっ血の症状をお持ちの方の場合、肺水腫の危険性に注意が必要となります。

また、高浸透圧薬の眼圧下降効果は一時的です。

・レーザー虹彩切開術:レーザーで虹彩に孔(あな)をあけ、房水の通り道を作り、眼圧を下げます。

原発閉塞隅角緑内障では、虹彩と水晶体がほぼ接触しています。
この状態だと房水が前房に流れ込めず、後房にたまることになります。
すると、房水が虹彩を圧迫して隅角が狭くなり、房水の排水路がふさがれてしまいます。
そこでレーザーで虹彩に孔をあけ、後房にたまった房水をシュレム管から排出します。

レーザー治療は隅角が完全に癒着してしまうと治療できません。
完全に癒着する前に発見し、タイミングを逃さずレーザー治療を受けることが大切になります。

また、角膜が十分に透明である必要があります(不透明な角膜を通してのレーザー照射は水疱性角膜症発症の危険が高いため)。

なお、急性緑内障発作は両目同時に起こることはまれですが、片側に起こるともう片方にも起こる危険が高いため、予防のためにもう片方にもレーザー治療を行うことが一般的です。

・手術的虹彩切除術

レーザーが難しい場合、手術的虹彩切除術を行います。
急性発作時には、悪性緑内障の発症や脈絡膜出血などの危険がありますので、行う前に、十分眼圧を下げる必要があります。
前に十分な眼圧下降を行う必要がある.

・切開の後も、点眼で治療することもあります。

慢性型原発閉塞隅角緑内障の治療法

慢性型の場合も、急性型と同じく、まず瞳孔ブロックの解消が治療の基本となります。
その後も眼圧が高い場合の治療は、原発開放隅角緑内障と同様に、薬物治療、レーザー療法、手術療法を行います。

まず点眼による薬物治療を行います。
原発開放隅角緑内障と同様に以下の薬物を組み合わせて使用します。

・プロスタグランジン関連薬
・β受容体遮断薬
・αβ受容体遮断薬
・α1受容体遮断薬
・副交感神経刺激薬
・炭酸脱水酵素阻害薬
・配合点眼薬

効果がなかったり発作が起きたときはレーザー治療や手術となります。

・レーザー線維柱帯形成術

周辺虹彩前癒着のない部分で行うことができます。
眼圧下降効果はあまり高くありません。

・房水流出路再建術(隅角癒着解離術, 線維柱帯切開術)

レーザー治療は隅角が完全に癒着してしまうと治療できません。
完全に癒着してしまった場合は、癒着をはがす「隅角癒着剥離術」を行います。
虹彩が隅角に癒着している部分をはがします。
水晶体が前方に移動して隅角をふさいでいるときは、水晶体を摘出して眼内レンズを入れることもあります。

・線維柱帯切除術

薬物治療で眼圧が十分下がらない場合や、周辺虹彩前癒着が長期にわたる場合、隅角癒着解離術が難しい場合など、で行われます。

原発閉塞隅角症疑い(PACS)の治療について

原発閉塞隅角症疑いは、必ずしも原発閉塞隅角緑内障を発症するとは限らないため、レーザー治療や手術を行うべきか意見が分かれるところです。
たとえば、急性発作時にすぐ受診できない可能性があったり、家族歴等のリスクがある場合には一般的に手術が行われるようです。

プラトー虹彩によって閉塞している原発閉塞隅角緑内障・原発閉塞隅角症の治療について

虹彩根部が前方に屈曲して、散瞳時に直接隅角を閉塞させます。
虹彩の形態異常ですので、定量的に定義することはできず、画像診断で判断します。

・薬物治療

縮瞳によって、周辺部虹彩を中心に向かって引っ張り、隅角を開大させて、隅角閉塞の進行を予防します。
周辺虹彩前癒着が広い範囲に及び、縮瞳剤のみでは、十分に眼圧を下げられない場合には、瞳孔ブロック解除後の慢性原発閉塞隅角緑内障と同じように、薬物治療によって、房水産生抑制や房水流出促進を目指します。

・手術療法

レーザー隅角形成術で虹彩根部と隅角との距離を広げることが可能ですが、長期的な有効性は不明です。

混合型緑内障の治療について

原発開放隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障が組み合わさった形を、混合型緑内障と呼びます。

治療については、まず瞳孔ブロックを解消し、その後原発開放隅角緑内障として治療を行います。


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